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Sinkewitz:「もう指折り数えて待っているよ」
2005年10月6日 ベルリン
彼らは若く、才能あふれている、そして勝利を目指している。つい5年前は、ドイツの自転車競技界はヤン・ウルリッヒの後継者はいるのだろうかと心配していた。今では有望な選手がたくさんいる。RADSPORTNEWS.COMではその「若き挑戦者たち」のうち六人にインタビューした。この10月Patrick Sinkewitz, Fabian Wegmann, Markus Fothen, Linus Gerdemann, Heinrich Haussler, Chrintian Mueller 、将来のこと、不安や期待などを語ってもらった。

Patrick Sinkewitzは2004年活躍を始めた*1。Deutschland- Tourの勝利ですでに多くの人が彼をウルリッヒの正当な後継者とみなしている。しかし、今年はコンディションが悪く、またQuickstepのルフェーブル監督の怒りに触れたことで彼の2005年は厳しいものであった。

RADSPORTNEWS.COM(以下R.):パトリック、Quickstepでのシーズンを終えようとしているけれど、どう感じている?
Sinkewitz(以下S.): 嬉しいよ、あと三週間でやっとシーズンが終わる、来年が楽しみだね。最高のシーズンというわけではなかったけど、もう終わったことだしね。
R.:ツール・ド・フランスのスタート以来ルフェーブルとは話をしたかい?
S.:全然してない。もともと彼と話をするのは珍しいことだったけど、ツール以来まあ完璧な無音状態といったところ。もう何も話す気はないし、向こうもそうだろう。
R.:チームの同僚はツールでの仕打ちに対してはどう反応していたの?
S.:もし逃げ集団を追う必要があったり、逃げがつぶされそうだったら、チームは普通協力しあうだろう。ところが、彼らはみんな僕の後ろにいて、僕の前には何もなし。僕はただチームを替えるだけさ。ほかの皆もそうするだろう。一般的に選手と監督の関係は選手間の関係ほどよくはないんだ。選手は皆、監督っていうのがどういうものか知っているのさ。
R.:T-Mobileと契約してからべッティーニとの関係は悪くなりましたか?
S.:いや、全然そんなことないよ。パオロもプロだし自分がとどまるところを考えなければならなかったんだ。彼がもし同じ立場だったら僕と同じように決めたと思うよ。
R.:どうして移籍がツールのスタートの前に明らかになったんだろうね?
S.:今に至るまで分からない、知ることができるならぜひ知りたいよ。
R.:T-Mobileのほうから接近してきたの?
S.:もちろん。はじめから僕の選択肢はとても小さなものだった、QuickstepとPhonakと  T-Mobileだ。僕にとって唯一T-Mobileこそが100パーセント走りたいと思えるチームだったんだ。
R.:どうしてT-Mobileなの。財政的な問題、それともウルリッヒのチームメイトとして成長したいとか?
S.:T-Mobileは間違いなくドイツのトップチームだよね。25歳になる僕が三年契約を結ぶ。そうなれば確かな基礎を築くことができる。次の三年は僕にとってとても重要だからね。話し合いの中でオラフ・ルードヴィッヒは最高の計画を示してくれた。僕はドイツチャンピオンを取りたいし、それにはそもそもT-Mobileで走るべきなんだ。
R.:マイケル・ロジャースも一緒に移籍するよね?なんだかちょっと談合の香りがするんだけど・・・
S.:僕らはよくルームメイトになるし、当然協力したりもする。でも彼の移籍については僕の移籍はぜんぜん関係ないよ。それとこれとはまったく関係ないんだ。
R.:Botero, Savoldelli, Julich,Evans といった選手たちがT-Mobileではまったく能力を発揮することができなかったわけだけれども、T-Mobile-Virusに不安はない?
S.:全然ないよ。まずその選手たちはみんな外国人じゃないか。彼らはあまりチームになじんでいるとはいえなかった。そういうことは大事だよ。居心地のよくないところでは誰もちゃんとは働けない。僕なんか、Quickstepを辞める日を指折り数えて待ってるもんね。
R.:君たち六人の中で「真に偉大な選手」になることができる、最も高い潜在能力を持っているのは誰?
S.:そもそも試合の中でしか、その人たちをよく知らないんだ。みんなすでに出来ることは示している。潜在能力はみんな持っていると思う、大事なことはその中から誰が最高のものを表現することができるかなんだ。その能力で走っている多くの才能ある人がいるけど、この数年のうちにその中に加わると信じている。
R.:Patrik Sinkewitzは2006年をどのように過ごしますか?
S.:春にまず最初のピークを持ってきたい、つまり、リエージュ−バストーニュ−リエージュで成果を収めたい。そのあとはツールでも立派に走りたいしDeutschlandtourにも参加したい。

*1:最初、プロデビューのことを言ってるのかと思いましたが、そうじゃなくて2004年にDeutschland- Tour優勝をはじめ勝利をあげ始めたことをさしているんですね。ジャパンカップも勝ってるしね。